水龍の洞窟
音もなく、そいつは突然目の前に現れた。 一瞬でパニックに陥り、出口へ走り出す。出口は遠く、足元の水は重かった。 大きな音がして身体が背中から撃ち抜かれる。 何が起きたか分からない。しかし、痛みと共に理解する。俺はここで死ぬ。嫌だ。こんな虫けらみたいに。 浅瀬に倒れ、龍を見る。龍は興味もなさそうに進行方向へ顔を向けた。 そうか。ここは奴の家で、俺は侵入者。 奴から見れば俺はただの虫けらなんだ――。 ▼Aipictorsの画像文芸部チャットはこちら▼ https://discord.com/channels/1069968879272595476/1176767251362349108