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幼い日の約束
まだ森に住むエルフのお姫様が幼かった頃に, 城を抜け出して幼馴染の男の子と一緒に遊んでいた花畑で,手製の花冠を贈られる姫様。 “とっても似合ってるよ,姫さま!” 『当然だ。私は本当の姫だからな』 “姫さまが大きくなって,女王さまになるときも,ぼくが冠をのせてあげるね!” 『それは簡単じゃないぞ。女王に王家の冠をのせることが許される立場が,どういうものかわかってるのかお前』 “うん! ぼくがんばって、姫さまのいちばん近くにいられる側近になってみせるよ!” 『……そうか。お前は優秀だからな。私の隣に立てる男になることを期待してるぞ』 (でも本当は,ただの側近じゃなくて,姫さまと結婚していっしょにいられるようになりたいな) (……別に,側近になれなくても私の夫になればいいんだぞ。言ってやらんが)