怪盗からの予告状
「『満月の夜、いずれ真実を照らす赤き原石を頂きに参ります』かあ…これは間違いなくサファイアの原石ね!」 「いや、サファイアは赤のみ存在しないのだから真っ先に除外されるだろう?赤いサファイアはルビーと呼ばれるからな」 「へー、そうなんですか?じゃあルビーかな?」 「当てずっぽうじゃないか!そもそも赤という色だけでは断定できんし、言葉通り原石を盗むとも思えんが…まあ君の意見はどうでもいい。既に警察にも連絡したそうだし、特定はそちらに任せよう」 「そんなあ!確かに推理は一度も当たったことがないですけどぉ…」 「ターゲットの特定に進展がなければ、当日は予告状が送られた美術館で警備員と一緒に展示室の見張りを頼む。今この事務所で一番暇なのは見習いの君だからな」 「うう、全然期待されてない…それにしても、ハートのシールで封をするなんて可愛い怪盗さん♪」 「美術館に送られたものにハートのシールは使われていなかったらしいがな。この予告状は今朝事務所の郵便受けに入っていたものだ。今回の依頼を引き受けたのもそれが理由だよ」 「ふーん?じゃあうちの事務所への挑戦状ってことですね!」 「君にそう言われると違う気がしてくるな…」 waiNSFWIllustrious_v120