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お題「天使」
─悪魔ネリーズとぼく─ 『創作小話』 『おい人間!』部屋でくつろいでいると突然背後から声がする。 悪魔ネリーズ、ぼくにあの手この手で”契約”を迫る悪魔だ。 彼女はぼくを驚かせるのが楽しいらしくて必ず背後から現れる。 『悪魔と契約するのはイヤだと言っていたから、今日は天使になってきてやったぞ。』 『見るがいい‥この頭の天使の輪と背中の白い翼を。どこからどう見ても"天使"だぞ。さぁ契約しろ。』 確かに天使の輪っかと白い翼がついている。これはみんなご存じの天使セットだ。 『ネリーズ、天使になったんだ? じゃあ安心だね。契約するよ。』 彼女はフフリと笑みを浮かべ”契約書”を差し出した。 けれど‥ぼくにはどーしても気になってしょうがないことがある。 「ところでネリーズ、天使になったのに頭の角は外さないの?」 ネリーズは自慢気に角を撫でながら言う。 『愚問だな人間・・。悪魔にとって角は”力と権力の象徴”だ。それを手放すなどありえん。』 「えーと?じゃあまだ悪魔なの・・・?」 「えっ・・・?」 『えっ・・・?』 しばしお互いに見つめあったまま沈黙。 『オホン‥急用を思い出した。また来るぞ。』(スタスタスタ‥ あ、帰りは歩いて帰るんだ。と彼女の背中を見送るぼく。 「あっぶなぁ・・・。危うく契約するところだった。悪魔って怖いな・・。」 ─ぼくと悪魔ネリーズの日常はたぶん続く─ 解説は無粋かと思いますが一応。ネリーズは「悪魔は怖い」を外見のことだと思っていた。 「ぼく」はネリーズが天使の姿になってきたから天使に転職したと思った。というすれ違いコントみたいな? 画像だけ見てる方には天使のお題に悪魔が出てきたら「?」ってなりますよね。失礼。 長文になってしまいましたがお付き合い頂けてたら嬉しいです。