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姫様が泣いた日のこと
“あれはまだ私が小さかった頃の話だ” “森で友達になった青い小鳥が,ある日死んでいた” “寿命だった。幼い私でもそれは分かっていたつもりだったが,当時は悲しさでいっぱいで,とにかく悲しくて受け入れられなかった” “側近ーーいや,当時はまだ私の将来の側近候補の幼馴染の男の子の前で泣くのは恥ずかしかったから,母様のところに行ってたくさん泣いた” “母様は私を抱きしめながら,この森に生きる全ての存在は森という大きな命の一部として巡り巡っていることを聞かされた” “当時の私にはそれを全部理解できたわけでは無いが,友達の小鳥とのお別れは永遠の別れじゃ無く,またいつか別の命で出会えるんだと思えて,悲しいのは少し消えた” “…その後,お前にも手伝ってもらってあの小鳥の墓をここに作ったんだったな…何を笑っている,私が昔のことを話すのが,そんなに珍しいか” ※墓の前で祈る姫様の片膝立ちポーズは某Aliceさんのリスペクトです。