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売れ残りのクリスマスプレゼント?
クリスマスも過ぎた夜の街。 一人寒空の中を歩いていると、 「ねぇ、お兄さん、お兄さん」 唐突に声を掛けられる。 サンタの恰好をした女性だった。 「お兄さんにもらってほしいものがあるんだけど…」 女性は気さくに、ウィンクしながら呼び掛けてくる。 クリスマスケーキの売れ残りの販売だろうか? 「いや、もうクリスマスも過ぎたし、ケーキはいいよ」 その答えを聞いた女性は少しきょとんとした表情を浮かべると、唐突に笑い声をあげた。 何かおかしい回答でもしたのか。 「ごめんごめん。もらってほしいのはケーキじゃなくて、あ、た、し」 「は?」 俺の聞き間違いだろうか? 「だから、あ・た・し。友達の家でクリパしてたんだけど、終電逃しちゃってさー。 お兄さんの家に泊めてくれない」 「!?」 聞き間違いではなかった。しかし、見ず知らずの男の家に泊まりに来るとは…。 思わず、視線が彼女の全身に行く。 若くてみずみずしい肌にサンタ服からはみ出そうな大きい胸…。 こんな子を家に泊めたら自分の理性が保てるかどうか怪しい。 断りの言葉を口に出そうとした瞬間、彼女が近寄り、耳元で囁いた。 「もちろん、今日1日はお兄さんのものだから、好きにしていいよ」 これは夢か幻か。それとも新手の美人局か。 あまりにも現実離れした出来事を完全に受け入れることはできなかったが、 彼女と腕を組みながらそのまま家まで帰ることとなった。