雨漏り_夜のネオンと共に

窓越しに見える夜の街は、濡れたアスファルトが街灯の明かりを吸い込み、ぼんやりと光っている。雨音がしとしとと響き、どこか懐かしいような寂しい感覚が部屋の中に流れ込んでくる。窓ガラスには細かい水滴が無数に連なり、街のネオンを歪めて映し出していた。 「……ん？なんか音が変だな」 部屋に響く雨音に混ざり、ぽたぽたと一定のリズムで水滴が落ちる音がする。耳を澄ませると、それは間違いなく室内から聞こえてきた。少し焦ったように、電気を点けて音の出どころを探る。ガラス窓の近く、タイル張りの床にぽつぽつと水たまりが広がっているのを見つけた。 「マジで雨漏り……！」 上を見上げれば、天井の隙間から水滴がゆっくりと滴り落ちていた。雨の勢いが強いせいだろうか。窓際に置かれたソファの端がわずかに湿っているのを見て、俺は慌ててタオルを取りに行く。 床に広がった水を拭き取りつつ、雨の匂いがかすかに漂う部屋を見回した。外の雨音が心地よく響いている一方で、部屋の中はどこか落ち着かない。灯された小さなランプの明かりが、タイルの濡れた表面をやさしく照らしている。 「これ、明日管理人さんに言わないとな……」 そう独り言をつぶやきながら、バケツをセットして雨漏りを受け止める。外の光景は相変わらず美しく、窓の向こうで光る看板の文字が雨粒を通して揺れて見える。だが、部屋の中は水滴の落ちる音が何かをせきたてるように響き続けていた。 夜はまだ長い。そんなことを思いながら、俺は再びソファに腰を下ろす。どこか非日常的なこの状況も、今夜限りの特別な風景なのかもしれない、と静かに考えた。 Generated by DALL-E & ChatGPT