1 / 3
お盆のお話し
お盆の時期ですね、暑いなか帰省してお墓参りをされている方も多いと思います。 さて、お盆というのは正式には「盂蘭盆会」(うらぼんえ)と言いまして、「盂蘭盆経」(うらぼんきょう)というお経が元となっている行事です。 お釈迦様の十大弟子の一人、神通力をもつ目連尊者(もくれんそんじゃ・モッガラーナ)という人がその力を使って母を探すと、彼の母は餓鬼道に落ちている。 そこで彼は母親の為に食べ物を供養したというのが元のお話しです。 ちなみに盂蘭盆というのは、サンスクリット語の「ウラバンナ」(逆さ吊りの意)が語源となっているそうですが、実はこのお経、 インドではなく中国で作られたお経、つまり「偽経」だと言われています。 確かに、苦の連続である「輪廻転生」からの解脱を願うインド思想と、中国式の「先祖崇拝」って180度ベクトルが違う考えですよね。 盂蘭盆経は、中国式の道教や儒教などの中国思想によって作られ、日本に伝来した行事なのです。 加えて、日本では元々、先祖の霊を崇拝する信仰があったので、すんなりと受け入れられたのでしょう。 でも、夏、汗、セミの声、お墓参り、懐かしい親戚の顔・・・というのはもうすっかり日本人の原風景になっています。 こういう伝統文化も悪くないなと思います。