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コン子ママと桜子さん
「いつまでそうしているんですか。 そんなに心配なら声でも掛けてあげたらどうなんです? 時々寂しそうにしていますよあの子」 木の上で娘の様子を見ていたギン子が振り向くと、そこには桜子が立っていた。 「うーん、それは少し違うかな・・・私はもうこの世にいないんだし、あの子はあの子自身と周りの人たちとでやって行かなきゃ」 「それならいつまでもウロウロしていないで・・・」 「でも一つ、気になることがあってね」 「?」 「あの警官君、ちょっとおかしくない?」 「斎藤さんがですか? 真面目で優しい人だと思いますけど」 「だってさ、あんなに可愛いうちの子がいつも側に居るのよ? どうして手を出さないの? ずーっと待ってるのに、いつまで経っても孫の顔が見れないじゃない!」 まだこんなふざけたことを言ってるのか、この母親はと桜子は呆れて額に手を当てる。 「まあ桜ちゃんに言っても無駄か、桜ちゃんとこも大概だもんね。 いい歳して自転車に二人乗りしたり、手編みの帽子だのチョコレートだのでキャッキャ・ウフフって、見てるこっちが恥ずかしくなる・・・!!」 突然、光り輝く剣がギン子目掛けて振り下ろされた。 紙一重でかわしながら楽しそうに笑うギン子。 「危ないなー、いくら幽霊だからって、そんなに妖気を込めて斬られたら消えちゃうじゃない」 「妖気言うな! 私は人間だ! この覗き魔の化け狐が、今日こそあの世に強制送還してやる!!」 「そんな怖い顔して暴れてると、先生に嫌われちゃうぞー」 「うるさーい!!」 野山を駆け回る昔馴染みのいつもの二人だった。 久しぶりのこの二人の寸劇。 コン子ママのデザインは登場時から少し変わっていますね。 DALL-E3で元絵を作成しSDでi2iしています。 https://www.aipictors.com/works/128303/