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人生と言う名の本

63

2024年04月09日 16時01分
使用モデル名:CustomModel(その他)
対象年齢:全年齢
スタイル:リアル
デイリー入賞 33
ウィークリー入賞 33
参加お題:

ある日のこと、アヴァリスはいつものように学校の図書室で本を借りに来ていました。するとふと、背の高い本棚の上に載っている本が気になりました。 「うーん...あの本、ちょっと読んでみたいな」 と、イスを持ってきて本棚によじ登ろうとしますが、背が低くてどうしても手が届きません。 「うぅ...取れない。ラダーないかな」 そう言って図書室をくまなく探し回りますが、ラダーは見当たりませんでした。 「しょうがないな。飛び跳ねて取るしかないか」 アヴァリスは後ろに下がって、勢いよく飛び跳ねます。すると奇跡的に本がつかめ、無事に手に入れることができました。 「よし、取れたぞ!」 本を手に取ったその瞬間、本から奇妙な光が溢れ出す。アヴァリスは驚いて本を落とし、光に包まれ意識を失う。 気が付くとそこは膨大な数の本が並ぶ図書館。背後から大きな声がする。 「ようこそ、世界の本の殿堂へ」 振り返ると巨大な本の姿の魔法使いが。 「ここを出るには、世界一長い本を読了しなければならん」 仕方なくその本を読み始めるアヴァリス。 アヴァリスは長い息をついて、世界一長い本「根無し草」を開いた。一瞬、目がくらんだ。文字がびっしりと詰まった細かい活字に、思わず頭がくらみそうになる。 「うーん...これ読むのに一生かかりそうだな」 アヴァリスは首をかしげる。でも仕方ない。ここから出るにはこの本を読了しなければならないのだから。 「 Yosh ! 頑張るぞー!」 元気よく叫ぶと、アヴァリスは第一ページ目をめくった。 三日三晩。アヴァリスは休みなく本を読み続けている。目をこすり、時に欠伸を漏らしながらも、ゆっくりとしたペースで確実にページを減らしていく。 やがて長かった旅も終わりが近づいてきた。 アヴァリスはついに世界一長い本の最終ページをめくった。長らくつづいた文字との対話が、ここに幕を閉じる。 彼女の瞳には、満足感とともに少しの惜別の情が浮かんでいる。一冊の本が与えてくれた時間は、決して取り返すことの出来ない、大切な思い出となったのだろう。 「ありがとう。これから先の人生も、君との出会いを大切に生きていくよ」 そうつぶやくアヴァリスの頬を、一筋の涙が伝う。長い旅路の疲れも、幸福感に包まれ、美しい一行の詩となって滲んでいく。 やがて本から溢れ出す光が、アヴァリスの身体を包み込んでいく。 人生という新たな一ページが開かれようとしている。そこにはきっと、出会いと別れと喜びと哀しみが、織り成す壮大な物語が記されているに違いない。 「また、会う日まで」 そうつぶやいたかと思う頃、我に返れば自室のベッドの上にいた。枕の上には「人生」と名付けられた一冊の本が光の中に消えて行く所だった。 ---- 画像は過去作品(未公開)

コメント (2)

ガボドゲ
2024/04/10 01:00

Epimētheus

2024/04/10 05:03

MorumoruSan|VTuberPlus
2024/04/09 16:37

Epimētheus

2024/04/10 05:03

179

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いいねコメントありがとうございます。忙しくなって活動を縮小しています。返せなかったらすみません。

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