1 / 20
「考える人」のパロディなど
エレン: ロダンの「地獄の門」について聞いたことがある? リリアン: ああ、それはダンテ・アリギエーリの叙事詩『神曲』地獄篇第3歌に登場する地獄への入口の門だよね。 エレン: そうだよ。その門は「この門をくぐる者は一切の希望を捨てよ」という銘文で知られている。 アリア: それは深い絶望を表現しているのね。でも、なぜロダンはその門を選んだの? エレン: ロダンは1880年に新しく建設される予定だったパリの装飾美術館のために入口の門扉の制作を依頼されたんだ。彼はダンテの「神曲」をテーマに選び、その中の「地獄の門」を表現した。 リリアン: でも、その美術館の建設は中止になったんだよね。 エレン: そう、でもロダンは「地獄の門」の制作を続けた。そしてその門から男性像が独立し、「考える人」という1つの作品になった。 アリア: 「考える人」は何を考えているの? リリアン: 実は、「考える人」は何も考えていないんだ。彼は「地獄の門」の上で熟考するダンテを表しているとも言われている。 エレン: そうだね。でも、彼がほおづえをついているのは何かを考えているからではなく、地獄に落ちた者たちを見下ろしているからだよ。 アリア: それは面白いね。でも、なぜ彼はほおづえをついているの? リリアン: ほおづえをつく人は「何かに支えられたい」という心理があると言われているよ。でも、周囲から見ると物欲しそうに見える場合があるから、気をつけないとね。 エレン: それは興味深いね。ロダンの「地獄の門」や「考える人」には、まだまだ解き明かされていない謎があるようだね。 エレン: 日本で「考える人」を見ることができる場所を知っている? リリアン: はい、国立西洋美術館や静岡県立美術館だよね。東京の上野公園にある美術館の前庭に、「考える人」が展示されているんだ。 エレン: そして、その「考える人」は本物なんだ。世界中には全部で21体の「考える人」があると言われていて、そのうちの1体が国立西洋美術館と静岡県立美術館にある。 アリア: それはすごいね!でも、どうやって見に行けばいいの? リリアン: 国立西洋美術館の前庭は、美術館の入場チケットを持っていなくても誰でも入ることができるんだ。ただし、休館日や閉館後は敷地内に立ち入ることはできないから、注意してね。 エレン: それに、国立西洋美術館には「地獄の門」もあるんだよ。上野公園に行った際は、ぜひ前庭の彫刻をじっくりと見て、「地獄の門」のどこかにいる「考える人」を探してみてね。 リリアン: 静岡県立美術館は、東京方面からJR東海道線「草薙駅」で下車し、静鉄バスで「県立美術館行き」で約6分の場所にあるんだ。美術館へのアプローチ歩道、約300mが「彫刻プロムナード」になっていて、美術館に入る前から彫刻作品が楽しめるよ。 エレン: それに、静岡県立美術館には、ロダンの他の作品も展示されているよ。静岡に行った際は、ぜひ静岡県立美術館を訪れて、「考える人」を見てみてね。 アリア: それは楽しみだね!、絶対に見てみるよ!