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お隣さんの情事を覗き見する
物音がしたので窓から覗いてみると、妙齢の女性があられもない姿を晒していた。お隣さんだ。つい、窓から隠れるように体を動かしてしまう。目に映ったのは一瞬だったけど、柔らかそうな肌や豊満な胸の映像が脳裏から離れない。ゴミ出しの時に軽く挨拶をすることはあったがしばらく顔を合わせられそうにない。 数日後、夜に物音がしたので今度はそっと窓を覗いてみる。するとお隣さんは恍惚な表情を浮かべ男に跨り、腰を動かしていた。あんな表情、見たことがなかった。俺は下の方に手を伸ばし無我夢中で擦っていた。どのくらい時間が経ったのかは覚えていない。気付くと、床は白い粘っこい液体が散乱していた。呆然としたが、ふと前方に視線を感じる。顔を上げるとお隣さんと目が合った……気がした。またも慌てて窓から離れる。 彼女は最後、微笑んでいたように見えたのは気のせいだろうか。 その日から俺は隣の情事を覗き見るようになった。彼女たちは服を着ながら行為に至ることがほとんどだった。彼女たちなりの性的倒錯なのだろうと俯瞰的に冷静に分析をしようと努めたが、無駄だった。動きに合わせてはだけた肌、揺れる乳房、擦れて硬くなる乳首、どれも扇情的すぎた。 やはり彼女は俺の視線に気づいているようだ。視線が時々合い微笑んでくる。そしてその度に喘ぐ声が大きくなり、より身体をくねらせる。 苦しそうな顔、敏感なところを責められている顔、絶頂の直前の顔。喜びと気恥ずかしさ。そんな色々な表情を見ていくうちに、名前も知らぬ彼女に夢中になっていってしまった。 これは俺と、彼女だけの秘密。