ミリシラ様の異世界百景その13「極東遺跡群」
2024-11-15 00:01:00
ChromaXL_v1b
ChromaXL_v1b
対象年齢：全年齢
参加お題：ガラス
地球の皆の者、こんクエスト～！全知全能の大賢者「ミリシラ・シッタカブール」様じゃぞ～！今日は二本立てじゃなあ。ラファエルにも言った通り、極東の遺跡群に来ておるんじゃ。割れたガラスが寂寥感を誘うのぅ。ん・・・？ああ、極東って言われても地球人にはよく分からんか。
ワシらが普段生活している大陸には、これまで紹介してきた名所や王都が存在するんじゃがな。極東って言うのは、この大陸の東の端っこまで行くと、大きな島があるんじゃよ。大きな、とは言っても大陸の十分の一もないくらいのサイズなんじゃが、人間が歩いて島を一周しようと思ったら二年はかかるんじゃないかってくらいのサイズなので島としては大きかろう。ワシらの間で極東と言ったら普通はこの島を差すんじゃよ。
ここはかつて、魔物がいなかった時代には人間が住んでいたようで、今でも滅び去ったかつての街並みが残っているんじゃ。イヴェール大氷河の紹介をした時にも言ったと思うが、時空の裂け目から魔物が現れた日があっての、ワシが生まれるよりも前の時代の話じゃからワシも当時の事は記録でしか知らんのじゃが、この極東にもイヴェール同様に裂け目が現れたとされておる。しかし、ここの人間は静かに眠るように死に絶えたそうじゃ。
現れた魔物は目に見えないガス状のやつでの、この島を徐々に包み込んでいったそうじゃ。この島の住人は、世界の他の場所で裂け目から現れた魔物に人々が襲われるニュースを目にして、自分たちの裂け目からも何か出てくるかもと警戒しつつ、被害にあった場所への救援などを優先して動いていた。結果として、気付いた頃にはもう逃げ場もなくなっていた。この魔物のガス状の体を吸い込んでしまうと、その時点では何もないが後から症状が出てくる。それは『一度眠ると二度と目覚めない』というものじゃ。多くの者は眠りについたあと目覚めず、またある者はのは仕事中や乗り物の操縦中に居眠りをしてしまいそのまま永眠した。こういう特性の魔物じゃったから、島に戦闘の痕跡は残らず、ただ人々が居眠りなどで起こした事故くらいしか建造物への被害は無かった。だから現在も遺跡として比較的良好な状態で残っておる。ちなみにガス状の魔物そのものは、魔法の技術が生まれた後で比較的すぐに討伐されて絶滅しているので、もうここは安心じゃ。
ここでは考古学者や賢者たちが研究対象にしている古代の遺物がよく発掘される。ひび割れてしまっているが、光にかざすと虹色の輝きを放つ円盤だったり、信じられんほど薄くて柔らかいビン、片面にガラスがはめ込まれた手のひらサイズの機械の板・・・あげればキリがないわい。中でも最近注目されているのが、古びて真っ黒になってしまってはいるものの、人を象っていたと思われる卓上サイズの像じゃな。獣人族のような耳が生えた個体も見つかっているため、もしかしたら『魔物が現れる以前から獣人がいたのではないか』という、『獣人は魔物と人間のハーフ』説を唱える一団と真っ向から対立する意見まで出ている始末じゃよ。これが見つかる部屋には大抵、『無数の押しボタンが並ぶ板』『何か映像を映していたと思われる枠』『絵ばかり描かれた薄い本』なども見つかっていて、これらは独自の枠組みとして「古代インキャ文明」と呼ばれておる。今、学者たちの間ではインキャが熱いという訳じゃな。
ワシも賢者として知的好奇心を刺激される題材ではあるので、長めの暇が取れた時などにはこうして足を運ぶこともある。できれば修学旅行の行先とかにして欲しいんじゃが、いうて廃墟じゃからやんちゃな学生たちの行動で事故が起きないとも限らんし、ちょっと難しい提案なのが残念じゃ。かつて生きていた人間がどういう風に生活し、何を夢見て毎日を生きていたのかに夢想を馳せる・・・アカデミックじゃなぁ。
この遺跡で見つかるものには、他にもいろいろあってな。乗り物などは現在ワシらが使っているものの基礎になったものもあったりするぞ。鉄道とかその典型じゃな。大陸を走る鉄道も、かつての古代文明の遺産を補強・改修などして使っている訳じゃし。ここの街中でよく見つかる『馬をつなぐ場所の無い馬車』も、その形状を真似て作った車を魔力で走らせる『自動車』として、富裕層に人気の乗り物になってたりするわい。
さて、ワシも何か探すとするかな。ここのものを無断で持ち出すと保護団体に滅茶苦茶怒られるので、団体がオッケーしそうなものを探さねばならんわい。・・・おっ、この看板みたいなの良さそうじゃな。鉄道乗り場に落ちておるって事は、多分何かの案内板の一部じゃろう。どうせ保護団体の奴らには古代文字なぞ読めんのじゃから、多分許可下りるじゃろ。・・・ん？ワシが古代文字を読めるのかって？まあ、正直かなり難解じゃな。この極東の文明で使われてた古代文字って、かなり独自性の高いものみたいで、大陸の古代遺跡じゃまず見かけないんじゃよな。まあ、少しは読めるぞ。ええと、この看板みたいなのに書いてあるのはじゃな・・・『ア、キ、ハ、バ、ラ』かのう・・・？ちょっと自信ないが、大体そんなもんじゃな。施設の名前なのか地名なのか、全然関係ない単語なのかすら分からんから、これだけじゃほぼ無意味じゃなぁ。もうちょっと探そうかの。集中したいから、ここらで発信切り上げさせてもらうのじゃ。
見てくれてありがとうなのじゃ、おつカブール～！
あっ、こっちは・・・『オ、チャ、ノ、ミ、ズ』？水飲み場かのう・・・。
類似プロンプト作品検索
ログインするとプロンプトなどがチェックできます
※ 作品によっては掲載されていないことがあります
(masterpiece, best quality:1.3), illustration, (extream detailed), one girl, angel Descending
コメント
投稿
ダウンロード
インキャ人はどうやってコミュニケーションを取ってたんだろッス！
ダウンロード
そりゃまさにこうやってですよw インキャ人は現実では「ｱｯ・・・ｱｯ」ってなるのでネットワークの世界でコメントを用いてやり取りをするのです