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幽魅の過去、私の未来

2024-09-17 00:00:00

ProfiteroleMix

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2024-09-17 00:00:00

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31

対象年齢:全年齢

デイリー入賞: 116 位

参加お題:制服
江楠さんに電話を入れたところ、実に丁度良いタイミングだという事でした。幽魅の実家が分かったかも知れないという事です。 「高校在学当時の写真だが、この女性が君の言う『藤巳幽魅』なら、そのルーツは判明したよ」 そんな文章と共に、画像が数点送られてきました。画像を見る限り、ほぼ間違い無く私の知る幽魅だと思います。 「間違い無いと思います。幽魅本人の可能性が非常に高いです」 そう返すと、江楠さんは私の家まで来てくれることになりました。 「まず、T山の捜索では遺体は発見できなかった。そこでスニーカーからアプローチしたのさ。あのピンクのスニーカーはまだ新しいものだった。となれば、通販で買ったのでもない限り町の靴屋をあたれば防犯カメラの映像があるだろうと踏んでねェ」 江楠さんはコーヒーを口にしながら経緯を語ってくれました。しかし、防犯カメラの映像を調べるなんて、一介の探偵にできる事じゃないはず・・・改めて、この人は『まともな探偵じゃない』んだなと実感します。 「そして君の言う特徴に合致する女性を見つけて、その画像を警官たちに回し、人海戦術で目撃情報を探してみたのさ。名前と顔が割れてればさほど苦労は無い話だ。程無くして有力な情報が入った」 「それで、幽魅はどういう人間なんですか?」 江楠さんはつまらなさそうに肩を竦めた。 「ごく平凡な市井の民さ。高校卒業後しばらくは地元にいたが、転職して今年の春にこの町に引っ越してきた。前職は商社の事務員、現職はスポーツジムの受付。恋人と目されてる男性とは、職場恋愛だったようだよ。『彼』はインストラクターをしていたようだ」 「江楠さん、その実家の住所とか、勤め先の名前を」 詳細を聞こうとした私に、江楠さんは指を突き付けて黙らせました。 「それを教える前に私の質問に答えてもらおうかねェ。君、彼女について大きな隠し事をしているんじゃあないかい?」 「隠し事?」 ふむ、と呟くと、江楠さんは私に送った画像の写真をテーブルに出しました。 「回りくどく言っても仕方ないか。君、『どこで彼女の顔を見た』んだい?」 「え・・・?」 江楠さんは何を言っているのでしょうか。それが大きな隠し事? 「君は藤巳幽魅の写真を持っていない。実家も勤め先も交友相手も、連絡先さえ把握していない。依頼を受けた時に話したねェ?『君が彼女を知ったのは死んでから、または行方不明になってからと考えただけ』と。そこにこれまで判明した情報を加えると『早渚凪は藤巳幽魅の死、あるいは失踪に関わっている』って事になるじゃあないか。彼女のプライベートを聞き出せなくなってからしか顔を見るチャンスは無いんだからねェ」 江楠さんの指摘に心臓が跳ねました。確かに、状況はそうなります。 「い、一回だけ会った事があって。名前はその時聞いたんですが、写真は撮らせてもらえなくて」 「ククッ、つまらない嘘は止めたまえ。探偵に調査を依頼するほど執着する相手を君がみすみす逃すものかよ。君の性格なら、隠し撮りでもなんでも手段を選ばずに写真を手に入れるはずだ」 ぐぅの音も出ません。まずい、どうしよう。頭を必死に回転させている時でした。 「あー!それ私の写真!もしかして学生時代のやつ!?」 幽魅が壁をすり抜けてやってきました。テーブルに出ていた写真を手に取って眺め始めます。 「ひゃー、今よりちょっと幼い感じするねー。でもこれどこの制服なのかとか全然思い出せないなー」 ふと見ると、江楠さんが目を見開いて幽魅が手に持った写真を見ていました。 「こいつは・・・何のトリックだい?」 「えっ?」 江楠さんは、幽魅の方を見て呟きます。 「まるで透明人間が写真を手に取ったようだねェ。・・・ご説明願おうか、早渚君?」 そうか、江楠さんに幽魅は見えていないから、写真が宙に浮いたように見えたのでしょう。・・・もう誤魔化しは無理なようです。私は江楠さんに全てを説明する事にしました。 「ククッ、合点がいったよ。幽霊とは驚いたねェ」 「・・・あんまり驚いてなくない、この人?」 「その割に驚いてなさそうですけど、江楠さん」 「私の場合、いろいろと怪奇現象には所縁があってねェ。それを話すと長くなるから、今回は割愛しようか。・・・早渚君、これを」 江楠さんは調査結果の入った封筒を渡してくれました。 「彼女の記憶を取り戻すのに役立てたまえ。これでとりあえず調査は終了だ。代金については後日若いのを取り立てにいかせるよ」 江楠さんは席を立つと、幽魅の方に視線を向けて一言、 「また何かあれば連絡するさ。今後とも御贔屓に」 邪悪な笑顔を浮かべて去っていきました。 「凪くん、あの人怖い」 「うん、私も怖いからその感覚は正常だよ」 これで今後、江楠さんの機嫌を損ねれば私が幽魅殺しの犯人とされる状況が出来上がってしまいました。やっぱりあの人に関わると碌な事になりません。
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(masterpiece, best quality:1.3), illustration, (extream detailed), one girl, angel Descending

早渚 凪
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コメント

投稿
うろんうろん -uron uron-

2024-09-17 18:38:25
返信
早渚 凪

2024-09-17 19:28:53
返信
ぜんざい

探偵さん幽霊くらいは見えるのかと思ってた!!

2024-09-17 09:30:14
返信
早渚 凪

江楠真姫奈は底知れない印象がありますが、実質的には「人の弱みを握って操る」事が得意なくらいなので、割と凡人ですね。

2024-09-17 19:28:48
返信
ルノハ

2024-09-17 07:35:22
返信
早渚 凪

2024-09-17 07:45:06
返信
JACK

2024-09-17 03:14:55
返信
早渚 凪

2024-09-17 05:42:22
返信
thi

テキスト量が結構多いので過去作品はまだ全然読めていませんが、楽しく読ませていただいております

2024-09-17 00:18:40
返信
早渚 凪

こんな長いテキスト読んで下さってありがとうございます。最近どんどんキャプションが長くなってきちゃって、最早AI小説に片足突っ込んでる始末なんですよね。特に江楠真姫奈が出てくると語りが長いので文字数がヤバイぐらい増えます。

2024-09-17 00:28:20
返信

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2024年7月よりAIイラスト生成を始めた初心者です。
全年齢~R15を中心に投稿します。現在はサイト内生成のみでイラスト生成を行っていますので、基本的にR18作品はほぼ投稿しません。※運営様によってR18に分類される可能性はあります。
ストーリー性重視派のため、キャプションが偏執的かと思いますがご容赦願います。

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