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水澤さんのおもちゃ エピローグ (2) (Take2)

2024-03-20 22:06:24

NovelAI

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2024-03-20 22:06:24

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6

対象年齢:R-18

――絢奈自身も、その後の行方はわからずじまいだ。 父親が逮捕された後、身寄りのない彼女は児童相談所に保護され、市の養護施設へと引き取られることになった。通っていた学校も、卒業を待つことなく転校を余儀なくされたと聞いている。 僕がしたことは本当に正しかったのか。 彼女は今、幸せに暮らしているのか。 それを知るすべは、今の僕にはなかった。 駅ビルの周辺はいつものように、様々な格好の人々であふれ返っていた。きらきらした街の佇まいは、猥雑な繁華街とは対照的だ。 待ち合わせで僕を待っていたのは、まだ年若い女性のようだった。 タートルネックの長シャツに細身のパンツを穿いたその人は、首から無骨で古めかしい年代物のカメラをぶら提げている。 ――振り返った彼女と目が合った瞬間、周りの雑踏が遠くへ消えていった。 すらりと伸びた長い手足。透けるような白い肌に、絹糸めいた艶のある長い黒髪。 見透かすように涼やかな眼差しが、僕のことをじっと見つめていた。 僕の記憶の中より、幾分大人びた少女の口から言葉が投げかけられる。 「久しぶりですね、先生」 「……今はもう、先生じゃないんだ」 「少し、老けちゃいましたね」 「あれからもう、四年も経つからね。今じゃ立派なおじさんの仲間入りだよ」 「わたしはまだ、あなたが好きなわたしのままですか?」 「もし姿かたちが変わったとしても……絢奈はずっと、僕にとって大好きな絢奈のままだよ」 駆け寄って、その身体を抱き締める。 様々な疑問が浮かんでは消えて……でも、そんなことより伝えるべき言葉があった。 「好きだ。大好きだ。ずっと……ずっと、絢奈に会いたかったんだ」 「わたしもです。わたしもずっと、この時を待っていたんです」 ああ、そうだ。忘れられない。忘れられるはずなんてない。この子の温もりを、感触を、その存在を。彼女がここにいる。ここにいてくれる。それが、何よりも嬉しかった。 「カメラマンというのは、絢奈のことなんだよね?」 「はい。びっくりさせようと思って、蔵重さんには黙っていてもらったんです」 蔵重さんというのは、シゲさんの本名だ。ということは、あの人は全部わかってて僕をよこしたのか。 どうして、シゲさんと面識があるのか。僕の居場所をどうやって知ったのか。そして今、絢奈自身はどうしているのか。聞きたいことは山のようにある。 「とにかく、職場に案内するよ。積もる話はそれからにしよう」 「そうですね、せんせ……って、今はもう、違うんでしたっけ」 絢奈は首を振ると、僕の手に指を絡めながら嬉しそうに微笑んだ。 「さあ、行きましょう。稔人さん!!」

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如月このり
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コメント

投稿
如月このり

Take2に関しては、あまり気にしないでいただけると幸いです。 正直この辺りは悩ましいところなのですが、現状は出来に納得がいかないとき、画像の差し替え投稿ができないもので。。。 すでにいいねが付いてると、元を消すのも偲びないですし。。。

2024-03-20 22:06:52
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A writer-like person who lives in a corner of the internet. I generate AI covers and illustrations for my own novels. Image generation uses NAI. Mainly lives on Pixiv.

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