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告白 (2)

2024-03-12 20:00:04

NovelAI

2024-03-12 20:00:04

NovelAI

2

対象年齢:R-18

小学五年生になり、まだ新人の若い先生が担任になった。 その先生は、不器用でたよりなくて。でも、とてもやさしくて真面目で。 あの父親とは似てもにつかない、まるで別の人間のように思えた。 それからしばらくして、わたしは学校の行事で林間学校へと行くことになった。 父さんとはなれて過ごせる時間はありがたかったけど、はしゃぎ回るクラスメイトの輪には、どうしても混じる気になれなかった。 このまま消えてしまえば、どんなに楽だろう。 そんなことをぼんやりと考えながら広場のすみですわりこむわたしに、よびかける声がした。 ――どうしたの、そんなところで。 こちらの気も知らずに、いつも通りにやさしく笑っている先生が、少しだけにくらしかった。 本当の気持ちをかくしたまま、少しつかれただけと作りものの笑顔をうかべて答えると、先生はわたしに目線をあわせてからそっと頭をなでる。 ――さんはまだ子どもなんだから。こまったことがあれば、いつだってたよってくれていいんだよ。ぼくたち先生は、そのためにいるんだから。 先生はわたしに手を差しのべて、みんなのところへ連れていってくれた。手を引く指から伝わるぬくもりが、ぽたりと落ちて胸にひろがっていく。 きっかけはそんな当たり前のことで、先生にとってはちっぽけな出来事にすぎなくて。でも、心の中でずっと助けを求めていたわたしにとって、それは世界のぜんぶが変わってしまうくらいにうれしいことだった。 林間学校の後に行われた写真販売で、カタログの中に先生を見つけた。たまたま写りこんでしまっただけの写真をわたしはとても気に入って、他のといっしょにこっそり買うことにした。 それからわたしは、スキを見つけて先生のことを写真におさめるようになった。 父さんに犯される毎日の中で、先生の写真だけが心の支えになってくれた。 先生ならきっと、きたないわたしのことをきれいで上書きしてくれる。そんな思いこみにとらわれ、犯された後でオナニーをするようになった。 先生を自分だけのものにしたい。 わたしだけの、おもちゃにしたい。 夏休みの登校日、わたしは先生に告白することにした。 だけど、わたしは子どもで、先生は大人で。 先生はきっと、わたしの告白なんて本気にしてはくれない。 だから、わたしはワナを張ることにした。 先生をワナにハメて、どこにもにげられないようにしてしまおう。 ……そんなことを考えてるわたしは父さんといっしょで、きたなくよごれてしまっているのだとわかり、むねがズキリといたくなった。 「……ごめんなさい、先生」 無人の教室に、懺悔の言葉がひびく。 わたしは「先生へ」と書いた手紙を、いのるように引きだしのおくへとしまいこんだ。

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如月このり
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